全国の低山帯に渡来して繁殖する夏鳥で、府内では4月下旬頃から「キョキョキョキョ…」と連続的に鳴く独特の声(動画図鑑①参照)が夜に聞かれる。
深い森よりも、むしろ明るい林や伐採跡地などの林縁部を好むようだ。
山村で、日没から夜半にかけて、あるいは早朝に電柱の灯りに集まる昆虫類を捕食する姿が観察されたり、渡り途中の個体が平地や山麓の疎林で偶然見つけたりする以外には、姿を見る機会は少ない。
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夜の鷹
本種は「夜鷹」と書きますがタカの仲間ではありません。昼間は眠っていることが多く、夜行性であることからこのような名前がつけられたようです。
宮沢賢治の『よだかの星』はこのヨタカが主人公ですが、本当のタカから「名前を変えろ」と迫られます。
面白いことにアメリカのヨタカもNighthawk(夜のタカ)と呼ばれています。そして、nighthawkには「夜更かしする人」とか「夜に悪いことをする人」という意味もあります。シルベスタ・スタローン主演の刑事映画『ナイトホーク』もこの意味でしょう。
日本でも江戸時代、夜に客をひく娼婦を「夜鷹」と呼びましたが、本種の怪しいイメージは日米共通のようです。