MENU

宇治川鳥類生息調査

琵琶湖から流れる瀬田川が京都府内に入ると宇治川と名前を変え、天ケ瀬ダムを経て宇治市や京都市伏見区を流れ、八幡市で桂川、木津川と合流して淀川になります。その流域は多様な野鳥の生息地となっているため、京都支部では以下のような調査を行っています。

①宇治川鳥類調査


国交省の本格的な工事が始まったことから、工事前・工事中・工事後の環境変化が野鳥にどのような影響をもたらすかを把握するために始めた調査です。
調査時期は、春(繁殖期)、秋(渡り時期)、冬(越冬期)の3回。調査エリアは、宇治橋~天ケ瀬ダム間(約3km)、宇治橋~観月橋間(約6km)。この2区間を年3回ずつ、合計6回調査しています。

②サギのコロニー調査


宇治橋下流の東側に、応神天皇の皇子・菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の陵墓(写真)があります。この小さな森がサギのコロニー(集団繁殖地)になっており、夏になるとアオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、ゴイサギが営巣し、子育てをします。
2005年には約500羽が記録され、その後徐々に減少したものの、現在も数少ないコロニーとして機能しています。京都支部では今後も継続的に調査を続け、その経過を見守りたいと考えています。

③オオヨシキリ調査


観月橋下流の左岸には広大なヨシ原が広がっており(写真)、野鳥やカヤネズミなどにとって貴重な生息・繁殖場所となっていますが、これまで実施されてきたヨシ焼きが廃止されたため、環境が悪化しています。
当支部では、こうした環境に生息する代表的な野鳥・オオヨシキリについて、毎年6月~7月にその生息数を調査。宇治川の環境変化、天ケ瀬ダムの放流水量の変化がどのように影響するかを確認したいと考えています。

④ツバメのねぐら調査

このヨシ原は近畿でも有数の面積を誇り、7月中旬~8月中旬には子育てを終えた親ツバメや巣立ちした若いツバメが集まって集団ねぐらを形成します。夕方になると京都盆地の各地から数万羽のツバメが集まり、上空を乱舞しながら一斉にヨシ原に降りて眠りに就きます。
京都支部では、2007年から継続的にそのツバメの数をカウント調査しています。夕方はツバメが入り乱れて飛び交うのでカウント不能ですが、早朝にねぐらを立つときは一定方向に飛び出すのでカウント可能です。5~6名の調査員が一定間隔で堤防に立ち、飛び出していくツバメ(下の動画)の数を数えます。年によって数は異なりますが、2009年には5万4千羽を記録しました。
本サイトに掲載している野鳥などの画像および映像の著作権は撮影者に、テキストや調査データなどの著作権は当支部に帰属します。無断使用はお断りします。
Scroll Up