一般的にはほぼ全国で繁殖する留鳥で、積雪のある地方のものは冬期に暖地に移動する。
府内での繁殖は未確認。観察されるのは10月下旬~翌年4月までで、主に夕方から活動し、家畜の糞捨て場や落ち葉の豊富な林または林縁部などで見かける。
時には身近な都市公園などでも観察されている。
全国的には狩猟鳥だが、当支部の活動によって京都府においては狩猟鳥から除外された。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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回数 | 8 | 5 | 2 | 5 | 3 | 2 | 3 |
トルストイとヤマシギ
芥川龍之介に『山鴫』という短編があります。ロシアの文豪、トルストイ(右)とツルゲーネフがヤマシギを撃ちに行って意地を張り合うという、いわば文学界の内輪話。
そんな小説のモデルになるほどトルストイは狩猟好きだったようで、ある時、鳥撃ちから帰って袋から獲物を取り出すと、1羽のヤマシギがまだ生きていたので、羽根を1本抜き、頭を突いてとどめを刺したというエピソードが残っています。
しかし、トルストイは59歳で狩猟をやめ、菜食主義者に変身。「肉食する人が自分でその動物を殺すことになれば、肉食を敬遠するようになるだろう」と書いています。トルストイを菜食主義者に変身させたのは、ヤマシギの殺生に対する自責の念だったのかも知れません。
なお、環境省はヤマシギをレッドリストに掲載しておらず、全国的には狩猟鳥ですが、京都府では2002年にレッドリストの「絶滅危惧種」に登録し、その翌年には捕獲禁止としました。これは、当支部が粘り強く京都府に働きかけた成果です。