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フクロウ

①フクロウ(撮影:野村明)
生 態

留鳥として平地や山地の巨木のある林に生息する。
府内でも全域で周年観察例があるが、数は少ない。
主にネズミ類を捕食するが、飛ぶときに羽音がせず、耳の良い夜行性生物を狩るのに適している。
夜間「ゴロスケホッホ」と鳴く。メスの声は「ギャー、ギャー」。

大きさ・体色
全長:50cm  雌雄同色
出現頻度
〇:京都府内で見聞の機会が比較的多い
渡り区分
留鳥:年間を通して京都府内に生息している鳥
学 名
Strix uralensis
英 名
Ural owl
フクロウ科
京都府RDB
月別記録回数(主に2000~2015年に報告された記録のみを月別に集計したもの)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
回数 7   2 4 10 3   2 2 2 3 2
動画図鑑
①フクロウ(2012年5月10日・城陽市)
①フクロウ(ヒナ)(2013年6月2日・城陽市)
鳥ビア

吉兆?凶兆?
フクロウは「福来郎」とか「不苦労」と書いて幸福のシンボルとし、さまざまなグッズが販売されています。また、古代ギリシャでは知恵の神とされていて、今でも「豆知識」みたいなコラムに大学帽をかぶったフクロウが登場するのはその流れでしょう。

 

ところが、平安時代は全く逆で、災いのシンボルでした。例えば、『源氏物語』にはフクロウが3回登場しますが、いずれも不吉で恐ろしい鳥として描かれています。中には、「梟は親を食う鳥」という表現もあります。

 

また、今はあまり使いませんが、「梟雄(きゅうゆう)」という言葉は「残忍で荒々しいこと」や「悪者のボス」を意味します。中国で生まれた熟語でしょうが、その中国でも漢代まではフクロウの鳴き声を凶兆としていたのに、唐代には吉兆と考えられるようになったそうです。
時代によってこれだけ評価が激しく変わった鳥も珍しいのではないでしょうか。
 

フクロウの首が回転するわけ
動画図鑑①の冒頭、首が約180°回って正面を向きます。「借金で首が回らない」と言われますが、首がよく回るフクロウは商売上の縁起物にもなっています。
フクロウの首がどれくらい回るのかを調べたところ、左右にそれぞれ270°、合計540°回転するとのこと。ちなみに、人間の首は左右それぞれ60°、計120°。
 
「こんなに首を回して、なぜ血流が途切れないのだろう?」と疑問を抱いたアメリカの学者が、シロフクロウとアメリカワシミミズクを調べたところ、椎骨動脈が他の鳥よりも頸部に入り込み、大きなたるみがあって、首を回しても血管が伸びるそうです。
また、椎骨動脈と頸動脈の間にバイパスのような血管があって、一方の動脈が遮断されると、もう一方の動脈から血液が供給される仕組みになっているとのこと。
 
しかし、よく考えれば、フクロウに限らず鳥は首をよく回します。小鳥でも120°くらいは回します。ツルやサギなど首の長い鳥はもっと回すでしょう。
鳥は人間のように目玉を左右に動かせないので、広い視野を確保するには首を回さなければならないという理由もあるようです。
加えて、夜行性のフクロウは聴覚で餌を探しますが、耳は顔の前面にあるので、横や後方の音をキャッチするためには首を回転させる必要があるという理由もあります。

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