普通のスズメに比べて頭の赤味が強く、頬に黒い班がないのが特徴。
本州中部以北で局地的に繁殖し、京都府内には冬鳥として主に農耕地などに渡来する。
スズメの群に混じっていることもある。
スズメに似た「チュン、チュン」のほか「チィー」と鳴く。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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回数 | 4 | 3 | 1 | 20 | 8 | 3 | 1 |
歌人の化身
本種の名前「ニュウナイ」の由来にはいくつかの説がありますが、そのうちの一つには京都ならではの伝説がからんでいます。
一条天皇の家臣で名高い歌人でもあった藤原実方(さねかた)は、ライバルと口論した際に相手の冠を奪って投げ捨てるという無礼な振る舞いをしたため、東北地方に左遷されました。実方はその怨みと京都への思いを募らせたまま失意のうちに亡くなります。
すると、京都の内裏(清涼殿)に1羽の雀が入り込み、台盤(食事を盛る台)の飯をついばんで平らげました。人々は、京に帰りたかった実方の怨念が雀と化して帰ってきたのだと噂しました。
このことから、「内裏に侵入する雀」→「入内雀」となったという説です。
東北地方で繁殖し、秋になると関西へ飛来して稲を食べるというニュウナイスズメの生態から創作された伝説でしょう。この話には続きがあります。
同じ頃、京都の勧学院の住職の夢に雀が現れ、「私は京が恋しくて雀になった実方である。成仏できるよう読経してほしい」と告げました。翌朝、住職は境内で1羽の雀の死骸を発見。その霊を弔うために塚を築きました。
この勧学院は現在も左京区市原にあり、別名「雀寺」と呼ばれています。雀塚も残っています。