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コマドリ

①コマドリ♂(2014年4月1日・山科区安祥寺山)(撮影:河合恵美子)
生 態

九州以北の高山に夏鳥として渡来し、渓谷や斜面に棲む。
「ヒンカラララ」と聞こえる美しいさえずり(動画図鑑①参照)は、馬のいななきに似るので、この名になったとされる。
ウグイス、オオルリとともに「日本三鳴鳥」に数えられる(下段「鳥ビア」参照)。
府内では、春は4月中旬~5月上旬に山麓から山地のササが茂った藪で見聞される。
八丁平では繁殖の記録がある。秋の観察例は少ない。

大きさ・体色
全長:14cm 雌雄別色(写真はオス。メスは胸が黒くない)
出現頻度
〇:京都府内で見聞の機会が比較的多い
渡り区分
旅鳥:春秋の渡り時期にのみ京都府へ立ち寄る鳥
学 名
Luscinia akahige
英 名
Japanese robin
ヒタキ科
月別記録回数(主に2000~2015年に報告された記録のみを月別に集計したもの)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
回数       50 2 1 2     2 4  
写真図鑑
②コマドリ♀(撮影:野村明)
③コマドリ♂(撮影:野村明)
動画図鑑
①コマドリ(さえずり)
②コマドリ♂
鳥ビア

三鳴鳥
本種とオオルリ、ウグイスはさえずりが美しいことから「三鳴鳥」と呼ばれています。
ヨーロッパにも「三鳴鳥」と呼ばれる鳥がいて、クロウタドリ、ナイチンゲール(小夜鳴鳥)、そしてコマドリ(ヨーロッパコマドリ)。
洋の東西を問わずコマドリが美声のベスト3にランクされているのは興味深いですが、ヨーロッパコマドリのさえずりは日本のコマドリとはかなり違うようです。

 

入れ替わった学名
コマドリの学名は、Luscinia akahige。一方、南西諸島に生息するアカヒゲの学名はLuscinia komadori。つまり、名前(種小名)が入れ替わっているのです。
江戸時代にシーボルトがオランダに標本を送る際、ラベルを貼り間違えたために入れ替ったといわれています。
 
日本野鳥の会の理事である松田道生さんが会の職員だったころ、ショップに「お宅の図鑑は間違っている」とクレームをつけに来たお客さんがいたそうです。話を聞くと、「コマドリの学名がアカヒゲになっている」とのこと。
学名は一度付けられると、たとえ間違いであることが判明しても訂正されません。今後もこうした混乱は続くわけです。
ちなみに、ミゾゴイの学名(種小名)はgoisagi。ゴイサギに付けるべき名前がミゾゴイに付いてしまったのです。ただし、こちらは入れ替わったわけではなく、ゴイサギの学名(種小名)はnycticorax

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