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キジ

①キジ♂(撮影:野村明)
生 態

日本の国鳥(下段の「鳥ビア」参照)。
留鳥として府内の農耕地、草地、河川敷、丘陵地などの開けた環境に生息している。
狩猟鳥として養殖した若鳥が放鳥されているため、生息数は安定しているようにみえる。

大きさ・体色
全長:♂80cm・♀60cm 雌雄別色(動画図鑑②参照)
出現頻度
◎:京都府内で普通に見聞される
渡り区分
留鳥:年間を通して京都府内に生息している鳥
学 名
Phasianus colchicus
英 名
Green Pheasant
キジ科
探鳥会月別出現確率(2000~2014年の探鳥会での出現率を月別に示したもの・例…0.3は30%)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
確率 0.1 0.1 0.1 0.4 0.3 0.1 0.0     0.1 0.1 0.1
写真図鑑
②キジ♂(ホロ打ち)(撮影:野村明)
③キジ♂(飛翔)(撮影:野村明)
動画図鑑
①キジ♂(2012年5月10 日・宇治白川)
②キジ(♂と♀・声)
鳥ビア

国鳥に選ばれた理由
1947年、文部省が国鳥を選定するよう日本鳥学会に依頼。22 名の鳥類学者が集まって、以下のような議論を展開しました。
・日本固有種であるキジかヤマドリにすべき
・平和の象徴であるハトがふさわしい
・美しい声でさえずるヒバリかウグイスが最適
 
そして、最終的に多数決でキジに決定しました。その理由は以下。
1. 本州・四国・九州では 1 年中見られる日本固有の留鳥
2. 人里近くに生息しているため、目にする機会が多い
3. 雄は羽色が美しく、性質が勇敢
4. 雌はことわざにあるように母性愛が強く、多くの人に好まれている
5. 「桃太郎」など日本の文学や芸術でも古くから親しまれている
 
4 番目のことわざとは「焼け野のキギス(キジ)」 のこと。卵を抱く雌は山火事が発生して自分が焼け死んでも卵を守り続けるという言い伝えに由来します。
こうして記事が国鳥にえらばれましたが、その一方、キジは狩猟鳥に指定されています。つまり、日本は国鳥を鉄砲で撃ち殺してもとがめられない珍しい国です。
 
防衛省情報本部
防衛省情報本部のシンボルマーク(左)はキジです。採用の理由について、同本部のホームページには以下のように書いてあります。
「シンボルマークに使用している鳥の名は雉子(きぎす)であり、(中略)雉子(きぎす)は、昭和22年に国鳥に指定された日本特産の鳥「キジ」の古語であり、次のような言い伝えと理由によりシンボルに選びました」。
 
「童話の「桃太郎」に出てくる雉は、空を高速で飛行する特性を生かして、情報の収集を任務としていました。また、人体が感じない微弱な振動を感じることができると言われており、世界の情勢の変化を敏感に察知しなければならない、情報本部の任務と相通じるところからシンボルにふさわしいと考えております」。
他の記述はともかく、キジが「空を高速で飛行する」とは言えないのではないでしょうか。むしろ、飛行が苦手の鳥の部類でしょう。

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