本州中部以北の高山で繁殖し、京都府には10月下旬に渡来し翌年4月上旬に飛去する。
落葉広葉樹の木の芽を啄ばみ、春先になるとサクラの芽を食べている姿が観察される。
「ウソ」とは「うそぶく」と言われるように口笛の意味。「フィー、フィー」と口笛のような声で鳴くことに由来する。
時々、胸まで赤い亜種アカウソ(写真図鑑②参照)が交じっていることがある。
【亜種ベニバラウソ(写真図鑑③参照)について】
日本鳥類目録改訂第7版(2012年発行)p.4に☆ランクとして掲載されている。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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回数 | 9 | 20 | 11 | 3 | 1 | 9 | 18 |
鷽替(うそかえ)
毎年1月25日に大阪の天満宮で「鷽替(うそかえ)神事」という奇妙な行事が行われます。参拝客が本種の絵札が入ったお守り(右)をもらった後、「替えましょう、替えましょう、嘘を真に替えましょう」と言いながら、お互いに交換し合います。
去年1年間についた嘘を、ウソに託して罪滅ぼしするわけです。交換した回数が多いほどご利益があるとされています。
交換会が終わり、お守りの封を開けて中に金色のウソが入っていると賞品が進呈されます。似たような行事は各地の天満宮にあり、絵札ではなく木彫りの鷽鳥を使う神社もあります。
大阪天満宮によると、菅原道真公は「学問の神様」であると同時に「正直の神様」であり、ウソは道真公が愛した梅の木に縁が深いために始まった神事だそうです。
しかし、この「鷽替神事」には二つの嘘があります。まず、ウソという鳥名の語源は「嘘」ではなく、「口笛」を意味する古語(上の解説文参照)。「フィー、フィー」と口笛のような声で鳴くことに由来します。
二つめは、梅の木に縁があるという嘘。ウソは桜の芽を食べることで知られていますが、梅には特に縁はないはず。目くじら立てることではありませんが、「正直の神様」の割には嘘が多いです。