酒呑童子の伝説で有名な大江山、2007年には「丹後天橋立大江山国定公園」に指定され、環境、施設も少しずつ整備されてきました。その中で鬼嶽稲荷神社から大江山連峰(赤石ヶ岳・千丈ヶ嶽・鳩ヶ峰・鍋塚)にかけての周辺を紹介します。
冬期には2mを超す積雪があり、3月末まで残雪のある豪雪地帯が、春になるとブナの原生林の芽吹きが見事で、新緑から秋の紅葉までたっぷりと山歩きを楽しむことができます。
大江山周辺で見られる野鳥は、早春3月になるとミソサザイ、ヒガラ、コガラ、ゴジュウカラ、イカル、キセキレイなどが声高らかに囀り、繁殖を始めます。
アカゲラやアオゲラ、コゲラたちのドラミングもよく聞こえてきます。初夏には、ツツドリに始まり、サンショウクイ、オオルリ、キビタキ、クロツグミ、コルリ、アカショウビン、ジュウイチなどが見られます。夜間にはヨタカ、トラツグミなどの声が聞こえます。
夏が過ぎ秋になると、大江山(千丈ヶ嶽)付近ではツバメ類やアマツバメ類、そして秋のタカの渡りを見ることができます。山の中腹あたりでは、マヒワ、アトリ、ヒヨドリ、カケスなどの群れが渡っていく姿も見られます。
また植物は、北方系、深山系の草花も多く見られ、花の蜜を求めてアサギマダラなど多くの蝶たちが林間を飛び回ります。蝉もエゾハルゼミなど四季を通じて13種類が見られるそうです。
山麓の大江山酒呑童子の里(大江山の家)から鬼嶽稲荷神社まで2車線の舗装道があり、鳥を観察しながら車で登ることができます。鬼嶽稲荷神社から千丈ヶ嶽(標高832.5m)山頂までは山道を約50分、山頂からの眺望はよく、千丈ヶ嶽~鳩ヶ峰~鍋塚までの約3.5kmの尾根道を歩くこともできます。
なお、鬼嶽稲荷神社にはバイオトイレと休憩所、数台の駐車スペースがあり、雨天時でも休憩所室内から眼下を見ながらの “楽々探鳥”も可能です。
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