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アオバズクのひなが無事に育って南へ渡るように

今年はアオバズク観察会を中止します
当支部では2017年まで、京都御苑でのアオバズク観察会を夕方から夜にかけて実施していました。しかし、京都御苑でアオバズクの保護活動を継続されている「アオバズクみまもりたい」の代表をお招きして、アオバズクの生態や観察マナーについてご教示いただいたことを契機に、アオバズクに少しでも負担をかけないよう、昨年から朝の開催に切り替えました。

今年もその予定でしたが、昨年秋の台風によって営巣木の枝が折れ、アオバズクが隠れる場所が少なくなった状況を考慮し、多人数での観察による負荷を与えないよう、今年のアオバズク観察会は中止することにしました。

みなさまが個人的に観察・撮影される際には、アオバズクの家族が無事に南へ渡れるよう、以下のマナーを守ってください。

アオバズクの観察マナー
京都御苑ではアオバズクを観察したり撮影する人が増えたことから、繁殖を阻害する想定外の事例も発生しています。

「アオバズクみまもりたい」は京都御苑での長年の観察によって、ひなが巣から飛び出して落ちたり、建物に激突して死んだり、ケガをするのは、親鳥が発する警戒音によってパニックに陥るためであることを明らかにされました。

そして、過去16年間でどんな時に親鳥が警戒音を発し、それによってひなにどんな被害が出たかの事例がまとめられました。そうした事例から得られたマナーが以下の3つです。赤字で掲げた各項目の下に示したのは、親鳥が警戒音を発したときの具体的な状況です。

観察者や撮影者が指を指しただけで警戒する親鳥もいます。アオバズクを観察・撮影するときは以下のことに注意し、すべてのひなが無事に育って南へ渡るよう、やさしく見守ってください。

①近づき過ぎない
・日中、約20名の観察者が巣穴の真下に近づいたとき
・低い枝で見張りしながら巣を守る親鳥の本能を「人に慣れている」と誤解して接近したとき
・低い枝に止まっていたヒナの周囲を取り囲むようにカメラが並んだとき
・並んでいる親鳥と巣立ちびなに近づいて撮影したとき(親鳥の後を追って飛んだひなが建物に激突して死亡)
②大きな声や音を出さない
・多くの人(20人以上)が夜間に騒がしく観察したとき(普通の声でも集まれば大きな声になります)
・1羽目が巣立った際、観察者から歓声や拍手が上がったとき
・少人数(2人)でも巣穴の下で大きな声で話したり、笑い声を上げたとき
③光を当てない
・多くの人が巣穴に向かってストロボ撮影したとき
・長時間サーチライトを巣穴に当て続けたとき
・セミの羽化観察のために約20人が懐中電灯を照らして営巣木に近づいたとき

本サイトに掲載している野鳥などの画像および映像の著作権は撮影者に、テキストや調査データなどの著作権は当支部に帰属します。無断使用はお断りします。
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