全国の山地に渡来し、おもにウグイスの巣に托卵する夏鳥。
その鳴き声を「東京特許許可局」「テッペンカケタカ」などと聞きなす(野鳥図鑑①参照)。
声は4月下旬頃から聞かれるが、府内で普通に見聞できるのは5月中旬頃から。
5月下旬~6月上旬にかけて、夜に市街地上空を鳴きながら渡るのが聞かれる。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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確率 | 0 | 0.1 | 0.5 | 0.1 | 0 |
正岡子規とホトトギス
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」など、本種は昔からさまざまな場面に登場します。唱歌『夏は来ぬ』にも「♪~卯の花の匂う垣根に ホトトギス早も来鳴きて 忍び音もらす…」と歌われています。
また、ホトトギスは口の中が赤いため、昔から「鳴いて血を吐くホトトギス」と言われました。そこから、血を吐く病気・結核に例えられるようになりました。
近代俳句の立役者・正岡子規(右)は、自分が結核であることから自虐的にホトトギスを意味する「子規」を雅号としました。彼が俳句改革運動の拠点とした雑誌の名前も「ホトトギス」。高浜虚子などその流れを汲む俳人を「ホトトギス派」と呼ぶのはこのためです。