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コノハズク

①コノハズク(撮影:野村明)
生 態

日本最小のフクロウで、主に昆虫類を捕食する。
夏鳥として京都府内の山地の落葉広葉樹林に飛来する。
6月から7月にかけて、芦生、久多、八丁平、大江山などで声が聞かれ、芦生では繁殖していると思われる。
なお、5月上旬には市街地に近い山麓でも通過個体がまれに見聞される。

大きさ・体色
全長:20cm 雌雄同色(赤褐色味のある個体は特に「カキズク」と呼ばれる)
出現頻度
△:京都府内では見聞の機会が少ない
渡り区分
夏鳥:春に京都府へ渡来して繁殖し、秋に渡り去る鳥
学 名
Otus scops
英 名
Eurasian Scops-owl
フクロウ科
京都府RDB
月別記録回数(主に2000~2015年に報告された記録のみを月別に集計したもの)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
回数         4 1 2 1        
写真図鑑
②コノハズク(撮影:野村明)
動画図鑑
①コノハズク(1990年5月20日・冠島標識調査)
鳥ビア

声のブッポソウと姿のブッポウソウ
コノハズクは夜に「ブッキッポー、ブッキッポー」と鳴きます。昔の人はこの声を「仏法僧」と聞きなし、その声の主をブッポウソウと名づけました。つまり、コノハズクとブッポウソウ(下の写真)を混同していたわけです。
それが間違いであると判明したのは、約80年前の1935(昭和10)年のこと。野生動物の鳴き声をラジオで生放送するNHKの番組で、愛知県・鳳来寺山のブッポウソウの声を流しました。
この放送を聞いた山梨県のある人がその声を追い求め、神社の森で「仏法僧」と鳴く鳥を撃ったところ、落ちてきたのは小さなフクロウでした。
また、別の聴取者から「飼っている鳥が放送の声につられて同じ声で鳴きだした」という連絡があり、鳥類学者が自宅で預かったところ、2日目に「仏法僧」と鳴いたので、声の主がコノハズクであることが確認されました。
これを受けて、日本鳥学会は「仏法僧」と鳴くのはブッポウソウではなくコノハズクであると認定したのです。
以来、まぎらわしいので、コノハズクを「声のブッポウソウ」、ブッポウソウを「姿のブッポウソウ」と呼ぶようになりました。

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