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カワセミ

①カワセミ♀(撮影:会員)
生 態

一時は数が減って幻の鳥になりかけたが、都市の環境に適応し、近年では身近な池や川でも見られるようになった。
腹はオレンジ、翼は緑、背はコバルトブルー、頬には白い部分がある。
頭から水中に飛び込み、魚や川エビなどを捕らえる。
「ツィー」と鳴く。

大きさ・体色
全長:17cm 雌雄ほぼ同色(♂のクチバシは全体が黒。♀は下側に赤みがある)
出現頻度
◎:京都府内で普通に見聞される
渡り区分
留鳥:年間を通して京都府内に生息している鳥
学 名
Alcedo atthis
英 名
Common Kingfisher
カワセミ科
探鳥会月別出現確率(2000~2014年の探鳥会での出現率を月別に示したもの・例…0.3は30%)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
確率 0.7 0.7 0.5 0.4 0.3 0.2 0.2 0.2 0.5 0.6 0.6 0.6
写真図鑑
②カワセミの求愛給餌(左♀右♂)(撮影:会員)
③カワセミ♂(撮影:会員)
動画図鑑
①カワセミ♀(2013年1月19日・府立植物園)
②カワセミのペア
鳥ビア

カワセミと新幹線
JR西日本が時速300kmの新幹線を開発する際、高速でトンネルに突入すると空気圧のために出口で「ドン!」という大きな音が出る現象に突き当たりました。
ある開発者が、カワセミが水に飛び込むときほとんど水しぶきを上げないことに着目。そのクチバシの形が最も空気抵抗が小さいことをつきとめ、カワセミにそっくりな車体にすることでこの壁をクリア。こうして生まれたのが500系車両です。
 
その開発者が鳥から得たヒントはもう一つあります。時速300kmで走行するとパンタグラフが大きな騒音を出しますが、それを防ぐためにフクロウが音も立てずに羽ばたいて獲物に近づくことに着目し、その羽根の消音構造をパンタグラフに取り入れて騒音基準をクリアしたのです。
いわば、新幹線が時速300kmで走れるのはカワセミとフクロウのお陰です。
ちなみに、その開発者は当支部の会員です。

 

宝石が先?鳥が先?
「翡翠」と書けば普通は宝石のヒスイと解釈されますが、バードウォッチャーは「カワセミ」を思い浮かべます。「翡翠」にはヒスイとカワセミの両方の意味があるからです。共通点は美しい青緑色。
では、この「翡翠」という漢字は先に宝石につけられて後からカワセミに転用されたのか、その逆か、どっちでしょう?
答は、この漢字の部首がどちらも「羽」であることに着目すれば分かりますね。
 
この漢字にはもう一つの疑問があります。普通、鳥の名前を表す漢字は「鴨」や「鷲」など1文字ですが、カワセミはなぜ2文字なのか?
これにもわけがあって、「翡」はオスの、「翠」はメスのカワセミを表しています。
同じく漢字2文字で表現される鳥に「鴛鴦(オシドリ)」がいます。中国読みは「えんおう」で、「鴛(えん)」がオス、「鴦(おう)」がメス。実在はしませんが、「鳳凰」も「鳳」がオスで「凰」がメス。
いずれにしても、中国ではカワセミは特別な存在だったようです。
カワセミを「飛ぶ宝石」と呼びますが、漢字の由来からいえばヒスイを「飛ばないカワセミ」と呼ぶべきですね。

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