全国の山深い渓流の落葉広葉樹林に夏鳥として渡来するが、数は少ない。
府内では、芦生で繁殖の可能性があるほか、鞍馬山、花背、久多など限られた地域で観察されている。
5月下旬~6月上旬頃に渡ってくるが、その頃に市街地や山麓など意外な場所で遭遇することもある。
魚以外に、ヘビ、トカゲ、カエル、カタツムリ、サワガニ、昆虫類など森の小動物なら何でも食べる。
「キョロロロロ…」と尻下がりの特徴的な声で鳴く(動画図鑑①参照)。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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回数 | 2 | 9 | 4 | 9 |
水恋鳥
アカショウビンという名がつく江戸時代後期まで、本種は「水恋鳥または水乞鳥(みずこいどり)」と呼ばれていました。西行も「山里は 谷の筧(かけひ)の 絶え絶えに みづこひどりの 声聞こゆなり」と歌っています。
その名の由来について、柳田國男は『野鳥雑記』に次のように記しています。水恋鳥は、前世に親に死水をやらなかった罰で、自分でも水が飲めないようになった。真赤な胸の毛が水に映って、近づいて飲もうとすると水が火に見える。だから、「水が恋しい」と鳴いている。
その言い伝えを西行も知っていて、絶え絶えに聞こえるアカショウビンの声と、谷から引いている筧の水が空梅雨のためか絶え絶えであることをかけて歌ったわけです。