夏鳥として日本全国に渡来し、川や湖などの周辺に広がるアシ原で繁殖する。
オスはアシの穂先にとまり、くちばしを大きく開けて「ギョギョシ、ギョギョシ」と騒がしいほどの声で鳴く(動画図鑑参照)。
京都府内には5月上旬に現れ、淀川水系や由良川水系、日本海側のアシ原で生息し、10月には渡去する。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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確率 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.2 | 0.0 | 0.0 |
安眠妨害の鳥
昔の人は本種を鳴き声から「行々子」と名づけました。「仰々しい」というニュアンスも含めていたのではないでしょうか。この鳥は夜中にも鳴きます。
「行々子」は俳句では夏の季語。松尾芭蕉には次の1句があります。
能なしの 眠たし我を 行々子
意味は、「何の能もない上にただ眠たいだけの私に、オオヨシキリが鳴きたてる。お願いだから静かに寝させておくれ」。
この句は『嵯峨日記』に収められているので、当時の嵐山周辺ではオオヨシキリがたくさん繁殖していたのでしょう。芭蕉にとっては、昼も夜も鳴いて安眠を妨げる厄介な鳥だったわけです。
一茶も次の俳句を残しています。こちらは、オオヨシキリの声と静かに流れる川を対比させた句。
行々子 大河はしんと 流れけり