今回は、秋と早春の比叡山に焦点をあてて、京都支部の定例探鳥会コースに沿ってご案内しましょう。
このコースは「ケーブル比叡」駅からスキー場跡、つつじヶ丘展望台、国家鎮護石碑の分岐点、山王院、浄土院と進み、西塔駐車場前から東海自然歩道を通って釈迦堂を往復します。そして西塔駐車場からドライブウェイを渡って、向かい側のチェーンの張られた林道(旧青竜寺道)に入ります。この道は、国家鎮護石碑の分岐点につながり、往路を「ケーブル比叡」駅に戻ります。
叡山電車の終点「八瀬比叡山口」で下車すると、静寂の中に高野川のせせらぎの音が聞こえてきます。橋の上から川を見下ろすと、カワセミ、カワガラス、セキレイ類が見られます。そして、叡山ケーブルの車窓からもカラ類を始め、渡りの小鳥たちを見ることができます。
総じてサクラが多く植栽されていることもあり、3月の探鳥会でウソを見る機会が多いのもここならでは。「ケーブル比叡」駅前の展望台は、京都市内の眺望とともに、ススキ原にアトリ、マヒワの群れが見られます。
スキー場跡ではホオジロ類、ベニマシコを探すのも一興。リフトの横の斜面を登ると、落葉広葉樹林となり、秋が深まると紅葉のトンネルを縫って歩く「雲母越(きららごえ)」の快適な道が続きます。
根本中堂への道を横目に、ドライブウェイの陸橋を渡ると山王院。石灯籠の続く石段を下ると浄土院、ここではキバシリを探したいですね。浄土院ではキセキレイが私たちを歓迎してくれます。釈迦堂への往復は、東海自然歩道(料金所の手前を右手に下る山道)を通ってください。そのまま進むと参拝客と見なされ、拝観料が必要です。西塔駐車場から国家鎮護石碑への道をたどると、ロープウェイ跡の広場に出ます。ここから西に視界が開け、運がよければクマタカの飛翔が見られます。
視界が開けたところで上空に注意すると、初秋にはハチクマ、ハイタカ、ノスリなどのタカ類に加えて、カケス、ヒヨドリ、ツバメ類の群れが渡っていくのを見ることができます。10月初旬には、通過するサメビタキやエゾビタキに出会う楽しみもあります。
なおコース途中のトイレは、ケーブル比叡駅、釈迦堂、西塔駐車場にあります。
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