タカの渡り観察ポイントとして全国的に知られるようになった岩間山は、京都府と滋賀県の県境に位置する標高443mの山で、三角点はなく、下から見上げると山頂の無線中継アンテナが目立ちます。
山頂の南側には「汗かき観音」で知られる岩間山正伝寺(岩間寺)があり、そこから尾根伝いに北に進むと奥宮神社に着きます。あるいは、右下の地図を参考に車で奥宮神社駐車場へも行けます。
神社の駐車場から山道に入り、500mほど歩いたところに観察ポイント(標高約400m)があります。北約1kmに大平山の白い電波反射板が、北北西約2kmに千頭岳の緑色の反射板が見えます。
ここで、日本野鳥の会京都支部の会員をはじめとする有志により、9月初めから10月末までの約2か月間、毎日タカの渡り観察が行われています。
タカの渡りの主役はサシバとハチクマですが、ノスリも10月から11月にかけて多数渡っていきます。他にオオタカ、ハイタカ、ツミなどの渡りも見られます。期間中に渡るタカの数は年によって大きく変動しますが、この2ヶ月間に約8,000羽のタカが渡ります。
岩間山はタカ以外の鳥たちの渡りのコースにもなっているようで、タカの渡り観察のボーナスとして、アマツバメ、ハリオアマツバメ、ツバメ類、メボソムシクイ、キビタキ、サメビタキ、コサメビタキなど、南へ渡る夏鳥たちの姿が見られ、10月下旬からはジョウビタキ、ルリビタキ、シロハラ、ツグミ、アトリ、ウソなどの冬鳥が渡来します。
バードウォッチングを兼ねたハイキングとしては、奥宮神社へ向かう車道の途中から北へ入る山道を千丈川の谷に下り、大平山の県境尾根を登って千頭岳や音羽山を目指すコースや、千丈川をさかのぼって東笠取へ出ることもできます。東笠取~西笠取~横峰峠~醍醐というコースも考えられますが、どちらも健脚向きです。
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